放課後等デイサービスの「習い事化」-子どもの療育を守るための制度見直し

2026/2/25 西宮市議会定例会 一般質問 大項目2

課題:
放課後等デイサービス(以下、放デイ)が急速に拡大する中で、福祉の質の低下と制度の形骸化が進んでいる。主な課題は以下である。
①インクルーシブ教育への逆行: 本来、障害児も地域(育成センター等)で共に過ごすことが望ましいはずが、放デイへの依存が進むことで、結果として「地域からの分離」を招いている。
②制度の形骸化と質の低下:利用決定の基準が緩やかで対象が広がりすぎている一方、報酬体系が「預かり人数」に
③参入障壁が低く公費依存度が高い点に目をつけたコンサルティング企業の介入により、利益主義の事業者が増加している。市内で発生した約5,800万円の不正受給事案に象徴されるように、法令遵守の欠如が全国的に深刻な問題である。

習い事化の実態をどう把握しているのか。

まず、放課後等デイサービス(以下、「サービス」と申します。)における「習い事化」の実態についてですが、サービス事業者が実施する療育は、その具体的な内容を基準において規定するものではなく、各事業者が創意工夫の中でそれぞれの特色を出しながら療育内容を構築しております。一方で、一定の水準で、療育の質を担保することの課題があります。このような状況の中、令和6年度の国の報酬改定において、児童発達支援事業所などには、「支援プログラム」の作成と公表が義務付けられました。これは、「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」から成る「5領域」との関連性を明確にしたうえで、事業所における支援プログラムを作成し、事業所のホームページに掲載するなどの方法により公表するもので、これにより市では各事業者の療育内容を把握することができ、また、より良い療育の推進と、療育の見える化にもつながっております。なお、市では、既存の全事業者から「支援プログラム」と公表先URLの提出を受けております。今後も、新たに事業所を開設する場合においては、予定する「支援プログラム」を事前に確認することにより、市内の事業者における療育の質の担保に繋げてまいります。

放課後等デイサービスの利用条件を見直す必要があると考えるが、市の見解は。

サービスの利用条件を児童精神科医の意見書のみに限定することについてですが、サービスの利用対象となる児童であることは医師の意見書、各種障害者手帳、保健所の意見書及び、指定難病の特定医療費受給者証によって確認しており、これらの取扱いは、こども家庭庁が発出した通知に基づいているため、児童精神科医の意見書のみに限定することは困難であると考えております。

令和8年4月より、西宮市立支援学校の下校時間を1時間繰り上げることが決定された。(14時30分への変更)それに伴い、放デイの送迎の時間も変更を迫られた。

学校設置者である市の運用変更に伴い生じる影響である以上、一定の対応が求められると考えますが、事業所の負担軽減や安定的なサービス提供を維持するため、市として独自の支援策を講じる考えはあるのか。

市独自の支援を講じることにつきましては、議員ご指摘のとおり西宮支援学校の下校時間の変更に伴い、一部のサービス事業者において、費用負担が増加する可能性があることを市から事業者に対する聞き取りで把握しております。しかしながら、外部環境の変化に対応する費用を含め、サービス事業者の運営に要する全ての費用は、こども家庭庁が示した算定基準に従い支払われていることから、市独自の基準により追加の費用を支払うことは困難であると考えております。