市職員のメンタルヘルスを守る「つながらない権利」の確立とICT環境の整備

2026/2/25 西宮市議会定例会 一般質問 大項目6

課題:
西宮市職員のメールの一定数が時間外にやり取りされ、労働と休息の境界が曖昧になり、職員の心身の休息が阻害されていると考えられる。また、外部からの連絡が実質的な時間外労働や心理的拘束を招く法的リスクを孕んでいる。

フランスでは、いわゆる「つながらない権利」が制度化され、勤務時間外の連絡について、拒否することができるよう、企業ごとに労使協議等を通じてルールを定めることが求められている。日本においては、つながらない権利に関する法的な規制は存在していないが、職員の健康管理と適切な労務管理の観点から、対策が求められる。

市職員の就業時間外のメールの送受信について、現状認識について。
 

就業時間外のメールの送受信についてお答えします。

議員ご指摘の通り、ICTの進展は、利便性を向上させた一方で、労働と休息の境界を曖昧にする側面があることは認識しております。

勤務実態が多様なため、メールが勤務時間内か休息中かの正確な把握は困難ですが、提示された資料の通り、夜間等に相当数の送受信が発生している事実は現状として受け止めております。

 一方で、現在本市が利用しているグループウェアでは、スマートフォン等へ新着メールの通知が自動的に届くことはなく、職員自らがシステムにログインしなければ自分宛てのメールの到着有無を確認できない設定となっています。

そのため、勤務時間外に本人の意図に反して強制的に通知が届く状況にはございません。また、市として勤務時間外のメールに対応しなければならないというルールは設けておらず、あくまで本人の判断に委ねております。

勤務時間外のメール送信を抑制し、職員の休息時間を実質的に確保するため、GAROONへの予約送信機能の導入に向けた検討を行う考えはあるか?

次に、メールの「予約送信機能」の導入についてお答えします。

予約送信機能は、送信側の作業時間を確保しつつ、受信側の心理的負担に配慮できる有効な手段の一つであると認識しております。しかしながら、議員ご指摘の通り、現在運用中のグループウェアに当該機能は備わっておりません。

本市では費用対効果を最大限に高めるため、標準的なパッケージ製品を独自改修することなく利用しております。独自機能の追加は、初期費用のみならず、毎年の保守費や将来の更新時の追加費用など、継続的なコスト増を招きます。

さらに、現行製品は既に販売を終了しており、数年後には次期システムへの移行を見据えるべき時期にございます。昨今主流のクラウド型のサービスでは、個別改修が原則として不可能な仕様であることも踏まえると、更新を控えた現行システムに多額の公費を投じることは、費用対効果の面から極めて困難であると判断しております。

したがいまして、現時点において予約送信機能を追加する考えはございませんが、引き続き開発元へ標準機能としての実装を強く要望していくとともに、次期のシステム更新に向けて、職員の心身の健康確保に資する機能も含め、必要な機能の精査を進めてまいります。

佐野の意見

勤務時間外のメールの対応については、ルールはなく、あくまで本人の判断に委ねているという答弁でした。そのような自己責任に頼る運用は、フランスにおいても「形骸化する」と結論付けられています。

つながらない権利を実効性のあるものにするため、次のシステム更新時には、必要な機能として「予約送信機能」を必ず導入頂けますよう、お願いいたします。私自身もガルーン(庁内のメールシステム)の利用者の一人として、まずは勤務時間外に連絡をしないと、自ら配慮してまいります。