一般質問④介護従事者を暴力やハラスメントから守る本市の対応

介護従事者を暴力やハラスメントから守る本市の対応についてお伺いします。

今月6月1日、埼玉県川口市において、利用者を訪問していたケアマネジャーが、その家族に刃物で刺され殺害されるという、痛ましい事件が発生しました。この事件は、密室の環境で業務にあたる全国の介護従事者に、計り知れない恐怖を与えています。

国はこの事態を重く受け止め、事件から2日後の6月3日、「介護支援専門員等の在宅介護従事者の安全確保の徹底について」と題する通知を各自治体へ発出しました。この中では、市町村が関係機関と連携して「必要な対策を積極的に講じること」を明確に求めています。

翻って、西宮市の現状はどうでしょうか。事件を受けて、市内の居宅介護支援事業所を対象に実施された、西宮市ケアマネジャー協会による簡易アンケートの結果からは、本市においても他人事ではない実態が浮かび上がってきました。

資料⑤ごらんください。
この調査は、危険を回避するために2名体制で訪問せざるを得なかった年間件数とその理由を伺ったものです。その回答には、訪問した際、目の前のテーブルや床に包丁が置かれていた事例、無理心中を示唆する連絡、さらには制度を逸脱したサービスの強要や激しい暴言などが、市内でも発生していることが示されています。ある事業者からは、「正論を伝えて敵対視されるリスク」や「1人ケアマネのため同行者がおらず、強い恐怖を感じた」という悲痛な声が上がっています。精神的恐怖から、訪問看護サービスが撤退せざるを得なくなった深刻なケースもあり、本市の従事者もいつ重大な事件に巻き込まれてもおかしくない環境に置かれていることが分かります。

現在、本市においては、「暴力対策マニュアル」を市の集団指導時に案内しており、そこでは深刻なケースに対する契約解除の有効性にも触れられています。言うまでもなく、ケアを受ける側の権利とケアを提供する側の権利は対等であるべきです。

そこで、質問いたします。

介護従事者が現場で孤立せず、また事業所が法的に身を守れるよう、「契約解除事項の記載例」の提示を含めたハラスメント対策について、どのように周知・支援していくのか、見解を伺います。

【答弁】
介護現場におけるハラスメントと、従事者の安全確保についてについてお答えします。

まず、介護現場におけるハラスメント対策としましては、厚生労働省が作成しております「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」や、兵庫県看護協会作成の「訪問看護師・訪問介護員が受ける暴力等対策マニュアル」といったマニュアルがあり、ハラスメント対策として、組織的に対応することの重要性や、事業所として取り組むべきことについて具体的に示されております。また、介護サービス利用者等の、どのような言動がハラスメントに該当するのか、利用者や家族への伝え方等についても具体例の記載があり、契約書の中で事業所側の解除権を定めること等も
合わせて、詳しく説明されております。

市では議員ご質問の事案を受け、今月16日に、当該マニュアル等について市内の訪問系の介護事業所に再度周知を行いました。

当該周知文においては、マニュアルの紹介だけでなく、相談窓口の案内や、介護支援専門員によるモニタリング時の安全確保の工夫、安全確保のため2名でサービス提供する際に算定できる加算や補助金についても、改めて記載しております。

なお、今回周知した内容を、より実効性のあるものとするため、介護現場におけるハラスメント対策をテーマとした研修の実施についても検討しております。

次に「契約解除事項の記載例の提示」についてですが、契約解除はハラスメントによる結果の重大性や再発可能性、契約解除以外のハラスメント防止方法の有無、契約解除による利用者の不利益の程度等を総合的に考慮する必要があり、サービス提供体制確保の観点からも、慎重な検討が必要であると考えております。